ライフハッカー編集部様

私は、『Google Chrome』のスピードと、いくつもある便利な機能を気に入っているのですが、この利便性やスピードの代償として、どれだけのプライバシーを犠牲にしているだろうか? と思ってしまいます。ズバリ、Chromeは私について何を知っていて、Googleに何を共有しているのでしょうか?

PN: Concerned Chrome Convert

 Concerned Chrome Convertさんへ

お気持ちはわかります。私たちは日々、仕事でもプライベートでも、Chromeを通して様々なことを行っています。では、GoogleがChromeから吸い上げている情報と、そうでない情報とは、それぞれ何なのでしょうか?

まずは、Googleが公式に明らかにしていることから見ていきましょう。

■Googleに渡らないもの

Googleでは、以下のデータについては、ChromeからGoogleに渡ることはないとしています。

クリックしたリンク、アドレスバーへの入力

他のウェブブラウザ同様、ウェブ履歴はローカルに保存されます。ChromeがこれをGoogleに定期的に送信することはありません。


パスワード

パスワードは、ローカルに保存するときに暗号化されます。同期のためにGoogleのサーバへ送信する場合、パスワード(ブックマークなどのデータも)は、送信中に暗号化されます。また、パスワードはGoogleのサーバに格納される前に暗号化されるので、Googleがこれを見ることは不可能です。暗号化のレベルは、個人設定の項目で設定できます。


■Googleに渡るもの

Google Chromeのプライバシー方針では、どのようなデータをブラウザからGoogleに送るのか? をリスト化しています。主なものは、次のとおり。

ブックマークほか、同期データ

Googleは、自社のプライバシーポリシーに基づき、GmailやGoogle Docs同様、ブラウザとサーバとの間で同期したいデータを保持しています。


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予測サービスを使った検索

Googleの予測サービスを使う場合、関連する結果をGoogleがユーザへ返せるよう、Chromeはアドレスバーに入力されたテキストをGoogleに送信します。この機能を使いたくない場合は、「オプション」>「高度な設定」タブをクリックし、「プライバシー」セクションの「検索キーワードの候補を表示して入力をオートコンプリートする(Use a prediction service)」のチェックを外しましょう


ナビゲーションエラーとなったウェブサイト

GoogleのウェブスパムチームのヘッドであるMatt Cutts氏によると、ウェブサイトに「404/Sorry, this page doesn't exist(このページは存在しません)」というページがあると、Chromeが「おそらくこのページだろう」と示す仕組みになっているそうです。この機能を無効化したい場合は、「オプション」>「高度な設定」タブをクリックし、「プライバシー」セクションの「ウェブサービスを使用してナビゲーションエラーの解決を支援する(Use a web service to help resolve navigation errors)」のチェックを外せばOKです


障害レポート、使用統計データ(有効化している場合)

障害レポートには障害時のシステム情報のほか、障害発生時の事象によっては、ウェブページのURLや個人情報が含まれることもあります。一方、使用統計データは、ボタンのクリック数、メモリの使用状況などの集計情報が含まれますが、ウェブページのURLや個人情報は含まれません。これらの設定は、「オプション」>「高度な設定」タブをクリックし、「プライバシー」セクションの「使用統計データや障害レポートをGoogleに自動送信してGoogle Chromeの機能向上に役立てる」のチェックを外すと、無効化されます


Google Instantが有効化されているときの検索、およびURLの読み込み

設定画面もしくは「about:flags」セクションから、Google Instantを有効にしている場合、Chromeのアドレスバーに入力するすべての文字はGoogleに送信され、分析されて戻ってきていると考えたほうがよいでしょう。ちなみに、Google Instantの検索はデフォルトでは無効となっています


■他者の見解

Googleは、以上のように述べているわけですが、これに対して懐疑的な見方もあります

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Image via Inane World
インストールのためのユニークID

インストールのためのユニークIDは、もともとインストールの成功率を測定するためのものですが、その後も保持されます。UnChrome』を使えば、匿名化してChromeをインストールできます。[via Wombat]


エンコードした文字列

エンコードした文字列は、Googleいわく、Chromeがどのようにダウンロードされたのかがわかる無名ファイルで、Chromeのプロモーションやマーケティングキャンペーンの成果を測るためのものだとされていますが、Chromeのウェブサイトから直接ダウンロードすることによって、この文字列は避けられます


■「Googleに自分の情報をどうしても吸い上げられたくない」

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プライバシーコンシャスな人は、ウェブブラウザ『Iron Browser』を使うのも選択肢のひとつです。ChromeやChromiumと同じソースコードで構築されていますが、Googleにいかなる情報も送信できない仕組みになっています。また、それほど頻繁に更新されないので、検索入力や使用統計データ、その他のデータは、システム内に保存されます。

Chromeのスピードあふれるブラウジングと引き換えに、Chromeが何を知りたがっているのかのヒントになれば幸いです。

ライフハッカーより、愛をこめて。

Kevin Purdy(原文/訳:松岡由希子)