うつ予防にはオリーブオイル?摂取する油脂の質でうつの発症率に違い


スペイン人やイタリア人というと「陽気で明るい」イメージがあるかもしれませんが、実際に昔からヨーロッパ南部では北部と比べうつの発症率が低いそうです。これには気候や日射量などさまざまな因子が結びつけられてきましたが、秘密はオリーブオイルだったのかもしれません。

スペインで行われた調査により、食生活の中での油脂のとり方がうつ病のリスクと関係することが明らかになっています。

詳細は以下から。Depression Risk Higher With Trans Fats, Lower With Olive Oil Consumption

University of Las Palmas de Gran Canaria(ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア大学)の予防医学の准教授Almudena Sánchez-Villegas博士らは、1万2000人以上を対象とした調査により、トランス脂肪酸を多く摂取する食生活を送っている人はうつ病のリスクが高いことを明らかにしました。

分析に使用したデータはスペインで大学を卒業した1万2000人以上の成人が参加するアンケート調査プログラムによるもので、1999年に参加者を募り始めたこのプログラムでは2年に1度参加者にアンケートを送り、参加者が追跡調査されることになった期間の平均は6年、開始時の平均年齢は37.5歳。開始時にはうつの人はいなかったものの、追跡期間中に657名が医師によりうつと診断された、または抗うつ剤を処方されたと報告したそうです。


Sánchez-Villegas博士らはデータのうち136品目の食品の摂取習慣について調査したアンケートの回答から食品に含まれる飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸一価不飽和脂肪酸トランス脂肪酸の摂取量を推算し、オリーブオイル・種油・バター・マーガリンといった食用油脂の摂取量と併せ、油脂の摂取習慣の違いによるうつ病リスクの違いを調べました。

その結果、トランス脂肪酸を多く摂取する食生活を送るグループはそうでないグループとくらべうつとなった割合が48%高く、また、トランス脂肪酸の摂取量が多いほどうつ発症率も高いという用量反応関係も見られたそうです。

マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸は、からっとした食感を得るためにショートニングを使ったファーストフード店の揚げ物や、スナック菓子・クッキー・ケーキ・パンなどの小麦粉製品を通じても摂取されるのですが、近年では心臓疾患のリスクと結びつけられ、使用規制や含有量表示の義務化を行う国も増えています。


一方、魚や植物油に多く含まれる多価不飽和脂肪酸や、オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸などの一価不飽和脂肪酸に富む食生活を送る人はうつになりにくい傾向が見られ、摂取量とうつ発症率は弱い逆相関の関係になっていたそうです。


地中海式の食生活を基本とするスペインでは、トランス脂肪酸の摂取量はもともと低く、スペイン人が1日に摂取するトランス脂肪酸は全エネルギー中0.4%ほどとなっています。ちなみに日本ではさらに低い0.3%と推定されているのですが、トランス脂肪酸が全摂取エネルギーの約2.5%を占めると言われるアメリカなどでは、今回の発見はさらに重要な意味を持つだろうとのことです。

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in , Posted by darkhorse_log

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