中日チェン投手(25)が晴れて「メジャー挑戦権」を手にした。球団は24日、チェンとの契約合意を発表した。昨季年俸から6000万円増の年俸1億7000万円プラス出来高。チェンのメジャー志向を満たすため、今シーズン後に自由契約となる「付帯条項」も認めた。

 「チェン問題」が決着した。昨季チーム最多の13勝を挙げた左腕が6000万円アップの1億7000万円プラス出来高の単年契約を結んだ。

 最大の争点は「付帯条項」だった。「それについて詳細は申し上げられないが、彼の言い分は十分に考慮しました」。今原球団代表補佐は事実上、今オフのメジャー移籍を容認した。

 代理人交渉を行ったチェンは外国人選手として自由に移籍できる権利を主張。メジャー挑戦という自身の夢があった。当初はポスティングシステムによる移籍しか認めない方針だった球団も、交渉の末に2011年シーズン後にチェンが希望すれば、自由契約となる「付帯条項」を盛り込むことを承諾した。

 「来年メジャーに行きたいからと交渉していたわけじゃない。彼の根底にはうちでやりたいという気持ちがあると思う。来年もうちに残る可能性はかなり高いでしょう」。

 今原球団代表補佐はあくまで来季の米大リーグ移籍は「可能性」にすぎないと強調した。ただチェンは希望次第でいつでも夢に挑戦できる権利を手にした。

 「契約が無事に済んですっきりしました。今年も優勝するために、シーズン通して投げられるよう全力で頑張ります」。

 米アリゾナで自主トレを行っているチェンは広報を通じてコメントを発表した。右の大黒柱吉見が開幕に間に合わない可能性がある現状、落合竜にとって左の大黒柱チェンは連覇に欠かせない戦力。双方納得の契約合意だった。【鈴木忠平】

 [2011年1月25日10時21分

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