中日ドラフト2位吉川大幾内野手(18=PL学園)は和田、森野クラスのスーパーアイを持つ男だった。合同自主トレが行われたナゴヤ球場で23日、視力検査を実施。白い壁に一瞬だけ映し出された6個の数字を言い当てる「瞬間視」の検査で、吉川が驚異の結果を出した。

 正面を向いた3度の計測時は計5個だった間違いが、打席で投手を見るような横向き姿勢で実施した2度の計測では、わずか1個と激減した。森野は最後に1個間違えただけと貫禄の数値だったが、正面と横向きで間違いが減る傾向は、昨季セ・リーグMVPの和田と同じだった。

 検査に立ち会ったキクチメガネの加藤一幸スーパーバイザーは「バッティングの構えをした時の方が間違いが減ったというのは頭がしっかり固定しているから。いい打者の証明です。こういう選手は捕球もしっかり出来る」と分析、守備面でも高レベルと太鼓判を押した。

 結果を聞いた吉川はホッとした様子だった。「良かったです。普段から夜暗いところで本を読んだり、携帯を見ないように気をつけている」。PL学園の先輩でもある福留孝介(カブス)も、中日時代のこの検査では驚異的な数字を弾き出した。背番号3を背負い、立浪2世として注目されるドラフト2位の才能も科学的に実証された。高卒野手のキャンプ1軍スタートは落合体制では初。大物級の「視覚」を持ったルーキーにファンも目が離せなくなった。【坂祐三】

 [2011年1月24日11時11分

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