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スーパープレイの応酬で沸いた「AVA WORLD CHAMPIONSHIP 2015」をレポート。日本クランの戦いの行方は?
今回が初開催となるAWC2015は,AVAがサービスされている国や地域の代表クランが一堂に会し,世界No.1クランの座を懸けて戦う世界大会だ。賞金総額約1000万円と,AVA世界一という名誉を懸けて,日本・韓国・台湾・中国・北米&ヨーロッパの5つの地域から選ばれた12の世界トップクランが集結し,“爆破”モードの頂点を懸けて競い合った。
17日のレセプションパーティーで予選ブロック,および使用マップの抽選会が行われ,続く18,19日の2日間で予選ブロックの試合が行われた。
その実力の高さから,AWC全参加クランから警戒されていた韓国の「clanHeat White」と台湾の「ahq e-Sports Club」は同じAブロック。予選を勝ち抜き決勝リーグへ上がったのは「clanHeat White」だったが,ワイルドカードを勝ち抜いた「ahq e-Sports Club」も決勝リーグへの出場権を果たす。
「DeToNator」と「F4E」という,日本代表クランの激突したBブロックでは,長年日本のAVAを牽引してきた「DeToNator」がまさかの敗北を喫し,「F4E」が決勝リーグ出場を果たす。レセプションパーティーで撃破宣言をしていた「F4E」が,見事に有言実行した形だ。
チーム事情で3クランによる予選となったCブロックでは,危なげなく日本代表クラン「Requish」が勝ち抜き,決勝トーナメントに出場した。
予選の結果,嬉しいことに2つの日本代表クランが決勝リーグへ進出することになった。しかも,日本代表クラン同士による決勝戦もありえる対戦の組み合わせだ。だが,それぞれの相手は「clanHeat White」に「ahq e-Sports Club」と,どちらも大会優勝経験のある強豪クラン。果たして,決勝リーグはどんな戦いが繰り広げられ,どんなドラマで幕を閉じたのか。その戦いの模様をレポートしよう。
試合の実況,解説を務めたのは,左からクラン「DeToNator」のYamatoN選手,FPS実況解説者 mejika氏,AVA日本運営プロデューサー井上洋一郎氏 |
会場には320人ものAVAファンが来場し,生でトップクラン同士の戦いを観戦。日本,海外のクランどちらにも,大きな声援を送っていた |
個人技の高さにあと一手が及ばず「Requish」は準決勝で敗退。「F4E」はギリギリの状態から逆転勝利で決勝へ
試合の模様をお伝えする前に,AVAの”爆破”モードのルールについて紹介しておこう。
爆破は1クラン5人で編成され,先攻(EU/攻撃側)はマップのどこかにあるC4爆弾を入手し,それを2つある爆破地点の一方に設置して爆発させれば勝利。後攻(NRF/防御側)は,C4爆弾の設置を阻止,たとえ設置されたとしても爆発前に解除できれば勝利となる。もちろん,相手クランを全滅させても勝利となるので,むしろこちらで勝敗が決まることが多い。なお,1セット13ラウンドで,6ラウンド終了後に攻守が入れ替わり,7ラウンドを先取したクランが勝利となる。
AWCでは,準決勝は3セットマッチの2セット先取で勝利,決勝戦は5セットマッチの3セット先取で勝利となる。
■準決勝第1試合
■clanHeat White(韓国代表) VS Requish(日本代表)
今年の国際大会では負けなしという「clanHeat White」が先行,日本A-Pointランキングトップ「Requish」が後攻で始まった準決勝の対戦マップは“FOX HUNTING”。
グレネードの使い方の巧さに定評ある「clanHeat White」。それがいきなり発揮されるも,出場クラン屈指のチームワークで追い詰めていく「Requish」。しかし,それを個人技で突破され,ファースト,セカンドラウンドを立て続けに落としてしまう。3,4ラウンドを取り返して2-2のイーブンに持ち込むが,「clanHeat White」の個人技の高さにあと1手,2手およばず,4-2で攻守交代となる。
折り返した直後の7ラウンドめに,Nemcy選手の3人抜きで勝利し士気を上げた「Requish」だったが,その勢いは再び「clanHeat White」の個人技の前に止められてしまい,1セットめは7-3で「clanHeat White」が勝利した。
続いてマップ“DUAL SIGHT”で行われた2セットめ。インターバルで気持ちを切り替えたのか,「Requish」は順調にキルを取っていく。しかし,ここでも「clanHeat White」の個人技で押し切られファーストラウンドを取られてしまう。だが,それで崩れることなく「Requish」は冷静に試合を運び,3-3のイーブンで攻守交代を果たす。
折り返したあともシーソーゲームが続き,なんと6-6までもつれ込んだ。勝負が決まる最終ラウンドは,双方慎重な立ち回りでゲームが進むが,C4爆弾設置を機に激しい銃撃戦となる。ここを制したのは,やはり個人技に長けた「clanHeat White」。これにより2セットめの勝利も確定し,「clanHeat White」が決勝戦へと駒を進めた。
■準決勝第2試合
■ahq e-Sports(台湾代表) VS F4E(日本代表)
準決勝第2試合は,台湾の強豪クラン「ahq e-Sports Club」が先攻,日本代表クラン「F4E」が後攻でスタートした。
丁寧な進軍で始まったファーストラウンド。「ahq e-Sports Club」の包囲網に追い詰められていく「F4E」だったが,その包囲網を食い破り「F4E」が勝利する。その勢いのまま,一気に3ラウンド勝利して0-3とするが,「F4E」の動きを読み切ったのか,「ahq e-Sports Club」の反撃を受け,3-3で折り返すことになってしまう。
その後,「AVA戦術の結晶,完成形といってもいい」と解説をうならせる戦術で「F4E」を攻め立てる「ahq e-Sports Club」は,そのままストレートでラウンドを取り続け,7-3で1セットめを勝利した。
ASLANが舞台となった2セットめは,ファーストラウンドこそ「ahq e-Sports Club」に取られてしまったが,その後はシーソーゲームが続き,4-4ともつれ込む。しかし,ここで「ahq e-Sports Club」に押し切られるように「F4E」が敗北を重ね,4-6とリーチをかけられてしまう。
ここで積極的に動き出した「F4E」が,大事なところでキルを取っていき,6-6のイーブンに持ち込み,勝負を最終ラウンドに掛ける。
慎重に進軍する両クランだったが,「F4E」が1キルを取ったところで戦況が大きく動き,3on1とF4Eに有利な状況になる。しかし,個人技に長ける「ahq e-Sports Club」の反撃を受け,1on1の状態に。どちらが最後のひとりを仕留めるのか。そんな緊迫した雰囲気の中,この接戦をものにした「F4E」が勝利を掴み,勝負は3セットめへ持ち込まれた。
INDIAで行われた3セットめは,一気に相手を攻め立てた「F4E」がファーストラウンドを獲得する。2セットめ勝利の勢いが残っているのか,撃ち合いにも負けることなく着実に勝利を重ね,2-4と勝ち越した状態で攻守を折り返す。
攻めに回った「F4E」だが,「ahq e-Sports Club」の猛攻に後れを取り,逆に6-4とリーチを懸けられてしまう。しかし,ここで2マップめと同様に驚異的な粘りをみせ,一気に3キルするなどしてラウンドをもぎ取り,再び6-6のイーブンへと持ち直す。
泣いても笑っても最後となる13ラウンドめは,2セットめのラストラウンドと同様に序盤こそゆっくりと展開していったが,「F4E」が口火を切ったことで両クランが入り乱れる乱戦へ突入。すべての銃撃が終わった後に立っていたのは……「F4E」の選手だった。これにより逆転勝利を収めた「F4E」が,世界の頂点へ挑むこととなった。
「clanHeat White」と「F4E」による最終決戦の行方は?
■決勝戦
■clanHeat White(韓国代表) VSF4E(日本代表)
決勝戦1セットめは,HAMMMER BLOWで激突。「F4E」の攻めでスタートしたファーストラウンドは,「clanHeat White」のgyul選手のダブルキルで幕を開ける。すぐさま「F4E」は1キルを取り返したものの,そこで膠着状態に陥る。スナイパーに1人倒されたところで前に出てた「F4E」は2on2に持ち込み,1人ずつ減らして勝利した。
その後も,取ったり取られたりを繰り返しながらラウンドは進むが,やはり地力に少し差があるのか,2-4で攻守を折り返すこととなった。撃ち合いであと一歩届かない「F4E」は,そのまま一方的にラウンドを取られ,最終的に2-7で「clanHeat White」が1セットめを先取した。
日本クランが苦手にしているというマップ“CANNON”での2セットめの1ラウンドは,「clanHeat White」が3人抜きを決めるなど,1セットめの勢いのまま勝利する。すぐさま次のラウンドでポイントを取り返す「F4E」。一時は3-4と逆転して攻めに回ったのだが,「F4E」の戦術に対応しはじめた「clanHeat White」が立て続けにラウンドを取り返す。その動きに対処できない「F4E」はそのまま敗北を重ね,最終的に7-4で「clanHeat White」が2セットめも連取。「clanHeat White」は,優勝にリーチを懸けた。
3セットめは,準決勝第1試合でも使用されたDUAL SIGHT。早々にファーストラウンドを取った「clanHeat White」は,2ラウンドめにショットガンを使い始めるなど,「F4E」に混乱をもたらす戦術で追い詰めていく。それに翻弄されたのか,立て続けにラウンドを落としてしまう「F4E」は,1-5と不利な状況で攻守交代することとなった。
攻守の切り替えを機に攻勢に出る「F4E」。「clanHeat White」が設置したC4爆弾を解除して1ラウンド取り返すのだが,再び「clanHeat White」のラッシュに押されてしまい,2-6とリーチを懸けられてしまう。「F4E」のあとがなくなった運命の9ラウンドめ。「F4E」はファーストキルこそ取ったものの,数的不利をものともしない「clanHeat White」に押し負けてしまう。その結果,「clanHeat White」がAWC初代王者の座に輝いた。
準優勝 「F4E」 |
3位 「Requish」 |
3位 「ahq e-Sports Club」。ベストスナイパーにAfteR選手が選ばれた |
「Alliance of Valiant Arms」公式サイト
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