地域課題解決に向けたオープンデータ活用を目指す「アーバンデータチャレンジ2015」中間発表シンポジウムが開催
地域課題解決に向けたオープンデータ活用を目指す「アーバンデータチャレンジ2015」中間発表シンポジウムが開催
2015年10月6日
TEXT:片岡義明
TEXT:片岡義明
地域の課題解決や魅力創出を目指して、オープンデータやその活用ツール、アイデアなどの創出に取り組むプロジェクト「アーバンデータチャレンジ2014」のシンポジウム「アーバンデータチャレンジは地域創生に貢献できるか?~地域20拠点、一挙中間報告!」が9月29日、東京・駒場の東京大学駒場第2キャンパスにて開催された。
UDCとは、地方自治体発のオープンデータや社会インフラに関する情報の収集・配信環境を整備し、これらのデータを使ったツールやアイデアなどを、ハッカソンなどを通じて市民発の作品として仕上げるワークショップ&参加型コンテストのプロジェクトで、社会基盤情報流通推進協議会(AIGID)と東京大学空間情報科学研究センター(CSIS)「次世代社会基盤情報」寄付研究部門が開催している。今回のイベントには、6月にスタートした今年度のUDCの中間報告会となるイベントで、全国20ブロックの拠点で活動する自治体関係者やエンジニア、研究者、プランナー、NGO関係者など幅広い人々が参加した。
■全国20拠点で地域課題解決に向けた取組を実施
はじめにUDCの実行委員長を務める東京大学生産技術研究所准教授(AIGID代表理事)の関本義秀氏が登壇し、今年で3回めとなるUDC2015の取り組みについて紹介を行った。「UDCが目指しているのは“地域の課題解決”ですが、それはけっして簡単なことではないし、各地域のキーパーソンなしで解決できるというものでもありません。また、政府が補助金などを使って1カ所を集中的に支援したとしても、その後に続かないことも多く、その点をどのように解決するかが課題です」と現状の課題を挙げた上で、UDC2015の特長を説明した。「今年は新たに10拠点を追加し、計20地域拠点で実施します。データの流通量を質・量ともに増やしていくことを目指して、国会図書館やナビタイムなどの単独ワークショップを開催するなど、データスポンサーとも強く連携します。さらに、既存アプリの横展開や地域実証を評価する『ソリューション部門』も継続して行います」(関本氏)
はじめにUDCの実行委員長を務める東京大学生産技術研究所准教授(AIGID代表理事)の関本義秀氏が登壇し、今年で3回めとなるUDC2015の取り組みについて紹介を行った。「UDCが目指しているのは“地域の課題解決”ですが、それはけっして簡単なことではないし、各地域のキーパーソンなしで解決できるというものでもありません。また、政府が補助金などを使って1カ所を集中的に支援したとしても、その後に続かないことも多く、その点をどのように解決するかが課題です」と現状の課題を挙げた上で、UDC2015の特長を説明した。「今年は新たに10拠点を追加し、計20地域拠点で実施します。データの流通量を質・量ともに増やしていくことを目指して、国会図書館やナビタイムなどの単独ワークショップを開催するなど、データスポンサーとも強く連携します。さらに、既存アプリの横展開や地域実証を評価する『ソリューション部門』も継続して行います」(関本氏)
続いて、基調講演として内閣官房の五十嵐智嘉子氏(まち・ひと・しごと創生本部事務局参事官)が登壇し、「地方創生の取り組みについて」と題して講演を行った。五十嵐氏は、日本の総人口や年齢区分別の人口の推移を提示するとともに、人口減少の要因には「(人々の)社会的な移動」と「(出産や死亡による)自然な増減」の2つがあると説明。その状況については地域ごとに違いがあり、その違いを地域の人々に的確にとらえてもらった上で、自らどのような方向に進むべきかを考えてもらうことが「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の考え方であると語った。
その目標としては、「地方の安定した雇用の創出」「地方への新しい人の流れ」「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」「時代に合った地域をつくり、地域を連携する」の4点を掲げており、データにもとづいた政策を設定することの重要性を強調した。「今、私たちが取り組んでいるのは、地方の方にデータにもとづいて政策を立案していただくことと、さらに今後その状況がどのように変化していくかを、データをもとに評価見直しをしていただくことです。過去や現状のデータ分析も大事ですが、それだけではどうしても暗くなるので、『こうなったらこういう明るい将来が展望できるのだ』という将来展望を、ぜひデータやGISの力で示してもらいたいと思います」(五十嵐氏)
その目標としては、「地方の安定した雇用の創出」「地方への新しい人の流れ」「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」「時代に合った地域をつくり、地域を連携する」の4点を掲げており、データにもとづいた政策を設定することの重要性を強調した。「今、私たちが取り組んでいるのは、地方の方にデータにもとづいて政策を立案していただくことと、さらに今後その状況がどのように変化していくかを、データをもとに評価見直しをしていただくことです。過去や現状のデータ分析も大事ですが、それだけではどうしても暗くなるので、『こうなったらこういう明るい将来が展望できるのだ』という将来展望を、ぜひデータやGISの力で示してもらいたいと思います」(五十嵐氏)
基調講演のあとには、UDC2015のデータ提供支援拠点の実践報告として、8月に開催された国立国会図書館(NDL)による「NDLデータ利活用ワークショップ」の報告も行われた。これはNDLが所蔵する「国立国会図書館デジタルコレクション(デジコレ)」の資料248万点から、地域の歴史・文化を掘り起こす取り組みを体験できるワークショップで、会社員や自営業者、エンジニア、学生、教職員、図書館員など多彩な参加者が集い、岩手県の「岩手軽便鉄道」「南部葉タバコ」、神奈川県の「二宮尊徳」、東京都の「延遼館」などさまざまなテーマで資料の発掘を行った。
参加者からは「地域資源の活用が地域活性化につながる」「得られた成果を地域に持ち帰ってワークショップをしてみたい」「グループワークによる調べものの面白さを味わえた」といった好評価が得られたという。同館の福山樹里氏(電子情報部 電子情報流通課 標準化推進係)は、「今後の可能性としては、図書館を使った地域発見イベントや、地域の図書館の中でデジコレを閲覧可能にするといった取組が広がっていくことが期待されます。今後、地域課題解決の取組の中で、図書館とデジコレの資料をぜひ活かしてもらいたいです」と語った。
参加者からは「地域資源の活用が地域活性化につながる」「得られた成果を地域に持ち帰ってワークショップをしてみたい」「グループワークによる調べものの面白さを味わえた」といった好評価が得られたという。同館の福山樹里氏(電子情報部 電子情報流通課 標準化推進係)は、「今後の可能性としては、図書館を使った地域発見イベントや、地域の図書館の中でデジコレを閲覧可能にするといった取組が広がっていくことが期待されます。今後、地域課題解決の取組の中で、図書館とデジコレの資料をぜひ活かしてもらいたいです」と語った。
■地域拠点からの活動報告やツール紹介
続いて、UDC2015の地域拠点からの活動報告が行われた。以下にその内容を紹介する(括弧内は登壇者名)。
続いて、UDC2015の地域拠点からの活動報告が行われた。以下にその内容を紹介する(括弧内は登壇者名)。
(1)佐賀ブロック(Code for Saga・牛島清豪氏)
佐賀県のシビックテック組織「Code for Saga」の活動報告。焼き物で有名な有田町で開催した「伝統的建造物地図づくりワークショップ」では、同町に残る江戸末期から昭和初期にかけての伝統的建造物群を3グループに分かれて取材し、自由な地図データを作るプロジェクト「OpenStreetMap(OSM)」にマッピングする作業を行った。Code for Sagaは今後、行政や企業発のオープンデータ活用策を考えて提案するとともに、地域発のコンテンツやオープンデータを充実させることにより、その先にある課題解決のためのサービス構築や、持続的な活動のための体制づくりを目指す方針。牛島氏は「ワークショップの開催によって地域の情報を整理し直し、“コミュニティメディア”としての価値を追究すると、新たなオープンデータの切り口が見えてくるのではないか」と語った。
佐賀県のシビックテック組織「Code for Saga」の活動報告。焼き物で有名な有田町で開催した「伝統的建造物地図づくりワークショップ」では、同町に残る江戸末期から昭和初期にかけての伝統的建造物群を3グループに分かれて取材し、自由な地図データを作るプロジェクト「OpenStreetMap(OSM)」にマッピングする作業を行った。Code for Sagaは今後、行政や企業発のオープンデータ活用策を考えて提案するとともに、地域発のコンテンツやオープンデータを充実させることにより、その先にある課題解決のためのサービス構築や、持続的な活動のための体制づくりを目指す方針。牛島氏は「ワークショップの開催によって地域の情報を整理し直し、“コミュニティメディア”としての価値を追究すると、新たなオープンデータの切り口が見えてくるのではないか」と語った。
(2)鹿児島ブロック(肝付町企画調整課・中窪悟氏)
車椅子利用が利用できる観光マップを作成するために町歩きマッピングパーティーを開催。地方の情報の中でも、車椅子利用者向けのデータはほとんど無いため、これらを充実させることで車椅子を使う高齢者の外出を促すことを目的としている。イベントには行政や医療・介護、NPO職員、地域住民、学生など22名が参加し、4人1組となって肝付町の中心市街地を歩いた。街歩きの際は、“祭りを見に訪れた観光客”の目線で調査を行い、トイレや店舗などさまざまなスポットを見て回った。終了後は車椅子利用者向け情報サイト「wheelmap.org」にデータ入力を行った。参加者にはiPadを貸与して撮影してもらい、写真をiCloudに集約したため、成果報告もスムーズに行われた。今後はこのようなデータの日常的な情報更新や、ルート作成して公開するほか、町でマッピング講座なども行う予定。
車椅子利用が利用できる観光マップを作成するために町歩きマッピングパーティーを開催。地方の情報の中でも、車椅子利用者向けのデータはほとんど無いため、これらを充実させることで車椅子を使う高齢者の外出を促すことを目的としている。イベントには行政や医療・介護、NPO職員、地域住民、学生など22名が参加し、4人1組となって肝付町の中心市街地を歩いた。街歩きの際は、“祭りを見に訪れた観光客”の目線で調査を行い、トイレや店舗などさまざまなスポットを見て回った。終了後は車椅子利用者向け情報サイト「wheelmap.org」にデータ入力を行った。参加者にはiPadを貸与して撮影してもらい、写真をiCloudに集約したため、成果報告もスムーズに行われた。今後はこのようなデータの日常的な情報更新や、ルート作成して公開するほか、町でマッピング講座なども行う予定。
(3)石川ブロック(一般社団法人コード・フォー・カナザワ・福島健一郎氏)
昨年はUDCという機会を活かして4回のアイデアソン/ハッカソンを開催した石川ブロックだが、どうしても金沢市中心となっていたため、今年はその盛り上がりを、能登や加賀など、石川県全域に広げることをテーマとしている。9月に奥能登で開催した「アーバンデータチャレンジ2015in能登キックオフアイデアソン」では、「子育て」や「公共交通」、「移住定住」、「イベント(祭り)」などをテーマにして、能登特有の地域課題を掘り下げた。今後の課題としては、能登エリアのエンジニア不足の解消で、金沢やその近郊に集中しているエンジニアに、能登エリアの課題を“自分ごと”として参加してもらうための工夫が必要だと考えている。
昨年はUDCという機会を活かして4回のアイデアソン/ハッカソンを開催した石川ブロックだが、どうしても金沢市中心となっていたため、今年はその盛り上がりを、能登や加賀など、石川県全域に広げることをテーマとしている。9月に奥能登で開催した「アーバンデータチャレンジ2015in能登キックオフアイデアソン」では、「子育て」や「公共交通」、「移住定住」、「イベント(祭り)」などをテーマにして、能登特有の地域課題を掘り下げた。今後の課題としては、能登エリアのエンジニア不足の解消で、金沢やその近郊に集中しているエンジニアに、能登エリアの課題を“自分ごと”として参加してもらうための工夫が必要だと考えている。
(4)福島ブロック1(会津若松市防災安全課・目黒純氏)
今年から2015に正式参加を果たした会津若松市。7月に開催したキックオフミーティングでは、地域の除雪を陣取り合戦に見立ててゲーム化するアイデア「戊辰戦争2.0」や、地域の危険箇所をカードの形にシンボル化して収集を楽しむ「ハザードコレクション(ハザコレ)!」、市民から寄せられる電話や問い合わせを収集して可視化するサービス、行政情報を伝えるためのレコメンドサービス、課題と解決のマッチングサービスなど、さまざまなアイデアを生み出した。8月9日に開催されたリクルート主催の「マッシュアップアワード」では、「戊辰戦争2.0」のアプリ化も行った。さらに、8月10日には「オープンカフェ会津with UDC2015」も実施し、市の廃棄物対策課が参加してごみ問題をテーマとした地域課題の洗い出しを行った。同市では今後もハッカソンを通した盛り上げを行う方針だ。
今年から2015に正式参加を果たした会津若松市。7月に開催したキックオフミーティングでは、地域の除雪を陣取り合戦に見立ててゲーム化するアイデア「戊辰戦争2.0」や、地域の危険箇所をカードの形にシンボル化して収集を楽しむ「ハザードコレクション(ハザコレ)!」、市民から寄せられる電話や問い合わせを収集して可視化するサービス、行政情報を伝えるためのレコメンドサービス、課題と解決のマッチングサービスなど、さまざまなアイデアを生み出した。8月9日に開催されたリクルート主催の「マッシュアップアワード」では、「戊辰戦争2.0」のアプリ化も行った。さらに、8月10日には「オープンカフェ会津with UDC2015」も実施し、市の廃棄物対策課が参加してごみ問題をテーマとした地域課題の洗い出しを行った。同市では今後もハッカソンを通した盛り上げを行う方針だ。
(5)北海道ブロック(室蘭市企画財政部ICT推進課・丸田之人氏)
UDC2014のワークショップをきっかけに「室蘭LocalWiki」が構築されたほか、シビックテック組織「Code for Muroran」も発足したという室蘭市。2015も昨年と同様に、市ではオープンデータを随時追加していくほか、室蘭工業大学と一緒に市職員研修を兼ねて大学院の授業でオープンデータハッカソンなどを開催する予定で、ここで得られた成果をUDCのコンテストにエントリーする予定。バスロケーションサービスの実証実験も行っており、スマートフォンをバスに乗せてリアルタイムの位置情報を収集し、そのデータをオープンデータとして市が公開することも検討している。さらに、FixMyStreetJapanの実証実験やオープンガバメント推進協議会への参加も行う予定。
UDC2014のワークショップをきっかけに「室蘭LocalWiki」が構築されたほか、シビックテック組織「Code for Muroran」も発足したという室蘭市。2015も昨年と同様に、市ではオープンデータを随時追加していくほか、室蘭工業大学と一緒に市職員研修を兼ねて大学院の授業でオープンデータハッカソンなどを開催する予定で、ここで得られた成果をUDCのコンテストにエントリーする予定。バスロケーションサービスの実証実験も行っており、スマートフォンをバスに乗せてリアルタイムの位置情報を収集し、そのデータをオープンデータとして市が公開することも検討している。さらに、FixMyStreetJapanの実証実験やオープンガバメント推進協議会への参加も行う予定。
(6)滋賀ブロック(大津市情報システム課・楠有矢氏)
オープンデータに関する取組は2014年に始めたばかりという大津市は、UDCに参加するのも2015が初めて。地元の祭りである「大津祭」を楽しむことをテーマに、「アーバンデータチャレンジ2015 in Otsu~大津祭を楽しむアイデアワークショップ~」と題してアイデアソンを開催した。アイデアソンでは、大津市以外からもさまざまな企業からデータ提供を受けて、合計7つのアイデアを創出。さらに、これらのアイデアをもとに9月には「大津祭を楽しむ!ハッカソン」を開催し、7つのアイデアの一部を形にした。このハッカソンでは、曳山(山車)にビーコンを乗せて、曳山が近づいてきたらアプリが感知して説明や画像が表示される「大津祭ストーリーテラー」が優勝した。今後は同アプリを大津祭で来場者に実際に使ってもらえるアプリを作成中で、地元の人にもビーコン搭載の協力を要請中。
オープンデータに関する取組は2014年に始めたばかりという大津市は、UDCに参加するのも2015が初めて。地元の祭りである「大津祭」を楽しむことをテーマに、「アーバンデータチャレンジ2015 in Otsu~大津祭を楽しむアイデアワークショップ~」と題してアイデアソンを開催した。アイデアソンでは、大津市以外からもさまざまな企業からデータ提供を受けて、合計7つのアイデアを創出。さらに、これらのアイデアをもとに9月には「大津祭を楽しむ!ハッカソン」を開催し、7つのアイデアの一部を形にした。このハッカソンでは、曳山(山車)にビーコンを乗せて、曳山が近づいてきたらアプリが感知して説明や画像が表示される「大津祭ストーリーテラー」が優勝した。今後は同アプリを大津祭で来場者に実際に使ってもらえるアプリを作成中で、地元の人にもビーコン搭載の協力を要請中。
(7)鳥取ブロック(Code for Tottori/鳥取大学総合メディア基盤センター・東野正幸氏)
シビックテック組織「Code for Tottori」が、空き家を有効活用するアプリやWebサービスを開発する「空き家×オープンデータ ハッカソンin鳥取」を開催。地元の古民家を会場にして、オリンパスのオープンプラットフォームカメラ「OLYMPUS AIR」やリコーイメージングの全天球カメラ「RICHO THETA」などのレンタルも行った。2日間でのべ45名が参加し、空き家の活用方法を共有するサービス「picon」や、ディープラーニングで空き家のスコアリングを行う「CANDLE」、空き家紹介サービス「家ログ」、企業向け社宅提供サービス「スナババレー構想」の4つのアイデアが創出された。今後は秋に第2回のハッカソンを予定しており、活動の継続やモチベーションの維持、新規参加者の集め方、他事業との連携などが課題と考えている。
シビックテック組織「Code for Tottori」が、空き家を有効活用するアプリやWebサービスを開発する「空き家×オープンデータ ハッカソンin鳥取」を開催。地元の古民家を会場にして、オリンパスのオープンプラットフォームカメラ「OLYMPUS AIR」やリコーイメージングの全天球カメラ「RICHO THETA」などのレンタルも行った。2日間でのべ45名が参加し、空き家の活用方法を共有するサービス「picon」や、ディープラーニングで空き家のスコアリングを行う「CANDLE」、空き家紹介サービス「家ログ」、企業向け社宅提供サービス「スナババレー構想」の4つのアイデアが創出された。今後は秋に第2回のハッカソンを予定しており、活動の継続やモチベーションの維持、新規参加者の集め方、他事業との連携などが課題と考えている。
(8)福島ブロック2(公益財団法人郡山地域テクノポリス推進機構・猪股秀行氏)
2014年12月に初めてスマートフォンアプリ開発ハッカソン「Connect2014 in Koriyama」を開催した福島ブロック(郡山)では、このイベントをより充実させて継続的に実施するため、2015年度は各種団体のネットワークを活用したハッカソンを開催し、それを通じて地域の改題解決や魅力創出に取り組んでいる。8月にキックオフイベントとして開催したアイデアソン/ハッカソンは、郡山市郊外の県の施設において宿泊形式で実施。郡山市による地域課題のインプットや技術メンターの招聘、マーケソンの実施なども行った。今後の予定としては、10月~11月に中間報告会、12月に審査会・表彰式、1月~3月に完成品の公開などを実施する予定。
2014年12月に初めてスマートフォンアプリ開発ハッカソン「Connect2014 in Koriyama」を開催した福島ブロック(郡山)では、このイベントをより充実させて継続的に実施するため、2015年度は各種団体のネットワークを活用したハッカソンを開催し、それを通じて地域の改題解決や魅力創出に取り組んでいる。8月にキックオフイベントとして開催したアイデアソン/ハッカソンは、郡山市郊外の県の施設において宿泊形式で実施。郡山市による地域課題のインプットや技術メンターの招聘、マーケソンの実施なども行った。今後の予定としては、10月~11月に中間報告会、12月に審査会・表彰式、1月~3月に完成品の公開などを実施する予定。
このほか、福岡や山口、愛媛、徳島、島根、奈良など計11ブロックで、3~5分の短いプレゼンテーション(ライトニングトーク)が実施された。また、地域課題解決に役立つツールとして、旧街道沿いの歴史・文化情報をウィキペディアで世界に発信するプロジェクト「ウィキペディア街道」やごみの収集日を案内するアプリ「5374.jp」、ESRIジャパンの「ストーリーマップテンプレート」、Code for Chibaの「お祭りデータセンター」、地域のバス情報をオープンデータ化して世界に発信する「OpenTrans.it」、都市エリアごとの感情可視化ツール「東京エリアストレス」、バス停データ・プラットフォーム「crowdb.us」など、さまざまなアプリやサービスの紹介も行われた。
■シンポジウム翌日に“人の流れデータ”の活用方法を学べるワークショップも実施
なお、シンポジウム翌日の30日には、同じく東京・駒場の東京大学駒場第2キャンパスにて、UDC2015を共催する東京大学空間情報科学研究センター(CSIS)「次世代社会基盤情報」寄附研究部門による“人の流れデータ”の活用方法をレクチャーするワンデイチュートリアルが開催された。ここでは、UDC2015に交通データを提供している株式会社ナビタイムジャパンのデータセットについても紹介が行われ、UDC2015へのエントリーを検討している学生や教員、研究者などにも参加が呼びかけられた。
同イベントでは、午後の部の冒頭で、ナビタイムジャパンが提供する交通情報データの紹介や、都市交通計画調査として行われるアンケート調査(PT調査:パーソントリップ調査)に基づいて作成した「人の流れデータ」の紹介などが行われたあと、両データの活用法を学べるチュートリアルが行われた。ここでは、「人の流れデータ」のほか、ナビタイムがUDC2015に向けて提供している「インバウンドGPSデータ」をさまざまなツールを使って分析する方法が紹介された。
「人の流れデータ」は、アンケート調査によって得られたデータをもとに、移動経路を推定して時間連続に補完した移動推定データで、平常時1日分の移動履歴を単位時間ごとの位置情報として推定する。現在、国内21都市/海外4都市を整備済みで、延べサンプル数は約440万人。チュートリアルでは、この「人の流れデータ」のデータソースの紹介とその作成方法、サンプルデータの紹介とデータの軽量化をレクチャーした。
データの処理や分析に使用したのは、オープンソースのデータベース管理システム「PotageSQL」および同システムで地理空間情報(GISデータ)を扱うための拡張機能「PostGIS」、移動体のデータを可視化するChromeアプリ「Mobmap2 for Google Chrome」およびオープンソースのGISソフト「QGIS」など。さらに、ナビタイムの「インバウンドGPSデータ」についてはGISソフト「QGIS」で読み込み、都道府県別の滞在人数を地図上で表現する方法を案内した。
同イベントでは、午後の部の冒頭で、ナビタイムジャパンが提供する交通情報データの紹介や、都市交通計画調査として行われるアンケート調査(PT調査:パーソントリップ調査)に基づいて作成した「人の流れデータ」の紹介などが行われたあと、両データの活用法を学べるチュートリアルが行われた。ここでは、「人の流れデータ」のほか、ナビタイムがUDC2015に向けて提供している「インバウンドGPSデータ」をさまざまなツールを使って分析する方法が紹介された。
「人の流れデータ」は、アンケート調査によって得られたデータをもとに、移動経路を推定して時間連続に補完した移動推定データで、平常時1日分の移動履歴を単位時間ごとの位置情報として推定する。現在、国内21都市/海外4都市を整備済みで、延べサンプル数は約440万人。チュートリアルでは、この「人の流れデータ」のデータソースの紹介とその作成方法、サンプルデータの紹介とデータの軽量化をレクチャーした。
データの処理や分析に使用したのは、オープンソースのデータベース管理システム「PotageSQL」および同システムで地理空間情報(GISデータ)を扱うための拡張機能「PostGIS」、移動体のデータを可視化するChromeアプリ「Mobmap2 for Google Chrome」およびオープンソースのGISソフト「QGIS」など。さらに、ナビタイムの「インバウンドGPSデータ」についてはGISソフト「QGIS」で読み込み、都道府県別の滞在人数を地図上で表現する方法を案内した。
シンポジウムで中間報告を行った地域を含めて計20ブロックは、このようなナビタイムのデータセットをはじめとしたさまざまなデータを活用したワークショップやハッカソンを各地で開催し、地域課題解決のためのアプリ/サービス開発に取り組んだ上で、2015年度末にかけて、オープンデータやデータを活用するためのツール/アプリ、アイデアなどを募集するUDC2015のコンテストにチャレンジする予定だ。