お願い、サインちょ~だい!?

 中日森野将彦内野手(32)が26日、落合監督に盗塁のサインをおねだりした。三重・桑名市内で行われたトークショーに出演し「野球選手は走れなくなったら終わり」と来季は走りまくることを宣言。今季、2盗塁に終わったヒットマンが落合指令を取り付けて盗塁を積み上げる?

 意外なコメントに詰めかけたファンが沸いた。壇上に上がった森野が司会者から今季の感想を問われた時だ。口から出たのは打撃のことでもなければ、守備でもない。もっともイメージからかけ離れた盗塁についてだった。

 「盗塁を2個出来たのは良かったかな。いつも走ろうという気持ちはある。でも監督から走るなってサインが出るんですよ。来年はもっと走りたい」

 これまでプロ14年間で11盗塁。今季、チームトップの179安打を放った3番打者に盗塁のイメージはない。だが、「野球選手は走れなくなったら終わり」という持論を持つ男は常に走る準備が出来ている。問題は監督のサインだ。

 「走ろうと思っても、やっぱり監督のサインが出ないと走れない。出ればもちろん走りますよ。まあ、走れるくらいの足は作っておかないといけない」

 思いあまって?

 指揮官に盗塁のサインを「公開おねだり」した。ただの冗談ではない。今季のチーム盗塁数は53。セ・リーグ6球団でワーストだった。12球団でもオリックスの34に次いで2番目に少ない。指揮官へのおねだりは、足で得点を奪おうとする意欲の表れだった。

 「(プロ通算)14年で11個だから、来年は15年で15個になるようにはしたい。遅いと思われているんだから、スキがある時に走りたい」

 しっかりと準備はする。年明けには恒例となっている海外自主トレを敢行する。そこではバットは一切握らず、走り込みで汗を流すつもりだ。「今は(優勝旅行先の)ハワイから帰ってきてやらなきゃいけないという気持ち」。打って、走る。森野がイメチェンすれば、恐竜打線はもっと“恐く”なる。【桝井聡】

 [2010年12月27日10時17分

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