テレサ・ルー(27=台湾)が堂々の戦いぶりで、賞金ランク1位イ・ボミ、元賞金女王上田桃子との最終日最終組対決を制した。

 ツアーで他に類を見ないほど複雑なアンジュレーションに加え、日に日に硬さを増すグリーンに対し、多くの選手がスコアメークに苦労する中、安全策に徹した。「グリーンを狙うショットは、より確実に2パットでおさまるエリアを狙った。チャンスにつけるより、それが1番だった」。

 この日は8番までパーを重ねて、比較的計算が立つ9番パー5で初バーディー。17番パー3は、第1打をグリーン手前の池に落としたが、第3打をピン2メートルにつけて、ボギーで踏ん張った。3バーディー、2ボギーの71はほぼ計算ずくのマネジメントの結果だった。

 賞金ランクと平均パット数こそイ・ボミに1位を譲っているが、他の部門別ランクはパーオン率、パーセーブ率、平均バーディー数で1位。特に賞金ランク以上に実力を反映する平均ストロークは69・9506の1位で、史上初の「70切り」に向け、突き進む。

 2位の賞金ランクもイ・ボミとの差は、今大会前の5844万3866円から、4164万3866円に接近した。09年には横峯さくらが日本女子プロ選手権終了時から、諸見里しのぶとの4389万7868円差を引っ繰り返したのが「史上最大の逆転女王劇」だが、それを下回る差まで詰めてきた。昨季には同大会終了時、賞金1位イ・ボミと5751万4500円差の7位にいたが、最終的に引っ繰り返し、同3位イ・ボミを抑えて同2位になった実績もある。

 「賞金女王? そんなのまだまだすごく差があるよ」。昨年の日本女子オープン以降、直近の国内メジャー4戦3勝のメジャーハンター。実力、実績とも“イ・ボミの最も恐れる女”が、その力をいかんなく見せつけた。