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光圀公の大杉忘れない 常陸太田 西山荘で鳥総祭

鳥総祭での神事に臨む神職と見守る関係者=常陸太田市新宿町 
鳥総祭での神事に臨む神職と見守る関係者=常陸太田市新宿町 


常陸太田市新宿町の県指定史跡「西山荘」で、徳川光圀公の隠居時代からあったとされる大杉が伐採され、樹木を育んだ山の神に感謝を伝える神事「鳥総(とぶさ)祭」が25日、同所で開かれた。西山荘を管理する徳川ミュージアムや市の関係者らが出席し、光圀公が毎日のように目にしていたとされる由緒ある大杉と数百年前の光景に思いをはせた。

伐採された大杉は、西山荘正門に向かって右横に立ち、高さ約20メートル、幹周り約80センチ。約100年前に雷が落ちたといい、その影響からか近年は枝先が枯れるなど樹勢が弱っていたという。

専門家らによる調査の結果、木の内部が空洞になる「うろ」が見つかり、倒木の恐れがあったことから、市や東日本鉄道文化財団の補助を受け、3月に伐採された。

樹齢は推定約400年とされ、光圀公が隠居生活中の1691〜1700年当時からあったと判明。徳川ミュージアムの徳川真木館長は「光圀公は毎日、この大杉の下を歩いて通っていた。光圀公のことをいつも見守ってくれていた歴史ある木」と説明する。

この日は徳川館長のほか、中原一博市教育長らが参加。一般の観光客も見守る中、鹿島神宮の神職による神事が厳粛に執り行われた。

伐採した大杉の幹の部分は今後、徳川家ゆかりの施設などで活用したり、破砕して地面に返したりするほか、切り株は貴重な歴史資料として保存していく考えだという。徳川館長は「光圀公に縁の深いこの大杉のことを忘れないよう保存に努めるとともに、しっかり後世に伝えていきたい」と語った。 (朝倉洋)

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