東方神起 左からユンホ、チャンミン

「できればですね、“時間を止めて”もうちょっと皆さんといたいなぁ、と思うんです」。

今月27日に日本デビュー10周年を迎える、韓国出身の人気グループ、東方神起が4月2日、自身2度目となる5大ドーム・ツアー「東方神起 LIVE TOUR 2015 ~WITH~」(全国5か所16公演)のファイナルを東京ドームで迎えた。

東方神起のツアー・ファイナル@東京ドームのレポート後編をお届け。
参照:【東方神起】<前編>日本デビュー10周年! ひたむきな努力の結晶「WITH」ツアー・ファイナルを完全レポート

ロングMCで会場を爆笑の渦に巻き込み、和やかなムードに包まれていた雰囲気をガラリと一変、ここからは、“涙腺崩壊パート”へ。まずは『Calling』だ。ピアノのアルペジオから徐々に楽器の音色が重なりスケール感が増していく。そこに、幾重にも折り重なるユンホとチャンミンのロングトーン。ふたりの声が共鳴しあい、楽曲の世界観がどんどん増幅していく。ドラマチックな展開に誰もが引き込まれると、ドームいっぱいに響きわたるチャンミンのロングトーン……。続く、『Duet』は、再始動後のアルバムで人気を博した楽曲。歌詞は男女間を描いているけれど、ふたりの姿にも当てはまった。見つめあいながら、声を重ねてハーモニーを、“終わることないデュエット”を奏でる。曲は途中で止まり、ふたりの声が会場にこだますると会場が暗転。

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  • 東方神起@東京ドーム
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すると、聞こえてきたのはハープの音色……『どうして君を好きになってしまったんだろう?』だ。“天上”を照らしていたすべてのスポットライトが一点に、ふたりに降り注ぐ。光の中で、懸命に、想いのすべてを込めるように言葉をつむぐユンホとチャンミン。そして、このパートの最後を『Chandelier』で飾った。リストバンド型のペンライトがオレンジの光を放ち、ドームがまるでシャンデリアのよう。シャンデリアは“家”の象徴。ここが“ホーム”だというかのよう。スクリーンには、流れ星もきらめき、あたたかさに包まれる。その中で、一つひとつの歌詞をたしかめるように大切に歌っていくふたり。歌詞は、この先にある“しばしの別れと再会”を意識したものというのは明白。涙ナシに聴けるはずがなかった。

涙でしっとりとした雰囲気に包まれる会場。その中で映し出される映像は、「History of 東方神起」。先の映像同様、図書館で回想するふたり。『Humanoids』『Something』『Sweat』など過去の映像が次々とフラッシュバックする。そして、過去のやや幼さを残したユンホとチャンミンを、現在の成長したふたりが見つめる。回想からめざめ、目を開けたユンホとチャンミンは、互いの拳を軽くぶつけあう。“よくここまでふたりでやってきたな”という声が聞こえてきそうだ。あたたかなシーンに、会場から大きな拍手が沸き起こった。そんな空気を、1冊の本が切り裂いた。「東方神起 危機一髪」と名打たれた本から巻き起こる竜巻に飛ばされそうになるふたり。本を閉じようと懸命に手をのばし……!