すべては野球のため-。故郷・広島でトレーニングを積む阪神新井良太内野手(30)が29日、来季への熱い思いを語った。今オフはイベントの参加を最小限にとどめた。14日のイベントに約350人のファンが駆けつけるなど阪神屈指の人気者だが、まずはグラウンドでファンを喜ばせることに専念する。

 「自粛している分、トレーニングに時間を費やせている。このままのいい感じで、もうひと追い込み、ふた追い込みしていきたい」

 恒例となった、広島市内のトレーニングクラブ「アスリート」での体作り。今オフは早めに帰省することで、例年以上の仕上がりになっている。

 「打つ、守る、走る。全部レベルアップしないと全部の試合に出られないので。(体の状態は)すこぶるいい!」

 日々の充実ぶりが、新井良を自然と笑顔にした。

 この日は広島市内のホテルで行われた「広陵高校野球部・有志の会」に参加した。野村ら広島に在籍する後輩5人とも顔を合わせた。「広島戦は右ピッチャーが多くて、あまり出られなかった。そういう意味ではしっかり出て、来年やり返したい」。クライマックスシリーズ惨敗、自身も出番なくベンチで終わった悔しさは来年へのバネになる。右も左も関係ない。全試合でのスタメン三塁を目指し、キャンプインまで体をいじめ抜く。【松本航】

 ▼新井良は今季、右投手との対戦で打率2割3分。対左投手の2割5分4厘を下回った。広島の右投手にも通算1割8分4厘。このカードでのスタメン出場は左腕の中村恭が先発した8月15日(京セラドーム大阪)の17回戦(7番三塁)が最後。すべて右投手が先発した公式戦残り7試合はスタメン落ち。CSファーストステージでチームは第1戦先発前田健、第2戦先発バリントンと対戦したが、新井良は2試合とも出場せず終わった。