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ハリウッド・セレブの豪邸を襲ったティーン窃盗団『ブリングリング』

『ロスト・イン・トランスレーション』で第76回アカデミー賞 脚本賞を受賞、前作『SOMEWHERE』で第67回ベネチア国際映画祭 金獅子賞を獲得し、いまや名実ともに世界を代表する映画監督のひとりとなったソフィア・コッポラ。彼女が、全米メディアを騒然とさせた衝撃の事件――ハリウッド・セレブの豪邸をティーン窃盗団が襲った――というセンセーショナルな題材に取り組んだ最新作が、第66回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」でオープニング上映され喝采を浴びた『ブリングリング』だ。

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舞台はハリウッドスターや人気モデルが数多く暮らす、ロサンゼルス郊外の高級住宅地カラバサス。セレブリティの生活に憧れるニッキーたち5人の少年少女は、セレブの豪邸をインターネットで調べ、次々に侵入し、きらびやかなブランド服やジュエリーの数々を盗み出す。まるでショッピングでも楽しむかのように。
しかし、ほんの悪ふざけのつもりだった無謀な冒険は、次第にエスカレートし、彼女たちを二度と後戻りできない場所へ追いやっていく――。
ティーンを蝕む時代の本質――セレブ、犯罪、インターネット、ソーシャルネットワーク、リアリティ番組、マスメディアにひそむ闇――をクールに鋭く切り取ってみせた。何かに憧れ、夢中になり、夢のような日々を送る10代の少女たち。現実と嘘が交錯する世界のなかで、やがて彼女たちは自分を見失ってしまう。キラキラとまぶしく、でも残酷ではかない、少女たちの光と影を鮮烈に焼きつけた青春映画。
2013年のいまを、ソフィア・コッポラ以外の誰が、これほどリアルに描き出せるだろうか?

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●ストーリー
カリフォルニア州カラバサス。ニッキー(エマ・ワトソン)は報道陣を前に堂々と話していた。
「今回の件も人生における“学びの場”だと思うの。スピリチュアルな人間として成長するためのね。将来は国の指導者になりたい」
1年前――。
ニッキーは学校へ行かず、養女である妹サム(タイッサ・ファーミガ)、末の妹エミリーと共に、母ローリー(レスリー・マン)の自宅授業を受けている。ローリーが教えるのは「ザ・シークレット」に書かれた“引き寄せの法則”について。
一方、マーク(イズラエル・ブルサール)は前の学校を退学した後、1年間自主学習を続けてきた。今日が新しい学校への登校初日。周囲から「キモい」とバカにされる中、唯一優しい声を掛けてくれたのがレベッカ(ケイティ・チャン)だった。放課後、ファッションやブランドへの憧れを語り合ううち、ふたりは意気投合していく。夜、パーティーを抜け出し、通りでクルマから盗みを働くレベッカ。
ある日、授業を終えたマークをレベッカがクルマで出迎えた。「旅行中の人、知らない?」と聞くレベッカに、マークはジャマイカへ家族と行っている友人のことを教える。さっそくその留守宅に向かい、現金やバーキンなどを盗むふたり。そのまま街へ出て、ふたりはショッピングを楽しんだ。
レベッカやクロエ(クレア・ジュリアン)と一緒にナイトクラビングに出掛けたマークは、そこでニッキーとサムに出会う。エンターテイメント業界の大物も集うクラブには、その日、キルスティン・ダンストやパリス・ヒルトンも顔を出していた。写真を撮り、フェイスブックにアップする彼ら。マークは生まれて初めての親友、レベッカに夢中になっていった。

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インターネットを見て、パリス・ヒルトンがベガスでパーティーをすると知ったマークとレベッカは、パリスの自宅周辺を地図検索サービスなどで調べ上げ、玄関マットの下から鍵を拾い侵入する。豪奢な家の様子に圧倒されたふたりがそれを吹聴すると、ニッキーは言った。
「泥棒したい」
パリスがマイアミでパーティーと知り、今度はニッキーやサム、クロエを加えた5 人で留守宅に押し入る。広いクローゼットを埋め尽くす服、靴、ジュエリー、サングラスの数々に目を輝かせ、邸宅に完備したクラブ・ルームではしゃぐ彼女たち。夢中になった5人はパリスの家にとどまらず、オードリナ・パトリッジやミーガン・フォックス、オーランド・ブルームとミランダ・カー夫妻などセレブの予定を次々に調べ、留守宅への侵入と窃盗をくり返していく。アルコールに浸り、クラブで踊り狂うマークたち。
「僕らは人気者でどこでも歓迎された。ゴージャスなものをたくさん持ってた」
監視カメラで撮影された窃盗団の姿がオードリナのホームページで公開された後も、5人は調子に乗ってレイチェル・ビルソンやリンジー・ローハンの家で盗みを続けた。しかし、彼女たちの悪ふざけがそう長く続くはずもなかった。
リンジー・ローハンが防犯カメラの映像を警察に提出したことをきっかけに、メディアもハリウッド窃盗団“ブリング・リング”のことを大々的に報じ始める。そして、警察の捜査の手は彼女たちに迫っていった。

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●スタッフ・キャスト
監督・脚本:ソフィア・コッポラ『SOMEWHERE』、『マリー・アントワネット』、『ロスト・イン・トランスレーション』、『ヴァージン・スーサイズ』
衣装:ステイシー・バタット
音楽スーパーバイザー:ブライアン・レイツェル
編集:サラ・フラック
プロダクション・デザイン:アン・ロス
撮影監督:ハリス・サヴィデス、クリストファー・ブローヴェルト
出演:エマ・ワトソン、タイッサ・ファーミガ、クレア・ジュリアン、イズラエル・ブルサール、ケイティ・チャン、レスリー・マン
提供:東北新社
配給:アークエンタテインメント/東北新社
公式Facebook:https://www.facebook.com/blingring.jp
『ブリングリング』
12月14日(土)、渋谷シネクイントほかにて全国ロードショー
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