<阪神2-0ヤクルト>◇23日◇甲子園

 同じ攻めに2度も屈する男ではない。阪神マット・マートン外野手(31)はコースと球種を読んだ。1点リードした直後の3回2死三塁。外角チェンジアップを見逃して1ストライク。2球目、ボール球の外角低めフォークに体ごと食らいついた。右翼線に飛球を落とし、2点目をゲット。先発メッセンジャーの負担を減らす適時打となった。

 「何度も同じ球種が続いていたからね。ラッキーなことに打てたよ」

 村中、中村バッテリーの傾向をインプットしていた。1回の第1打席。外角チェンジアップ2球で追い込まれ、3球目の外角低めフォークをとらえられず中飛に倒れていた。2打席も同じ攻め方となれば、黙っている安打製造機ではない。

 前日22日ヤクルト戦で球団新記録の4試合連続猛打賞を達成。この日は1安打に終わり、2リーグ分立後の最長記録となる54年の中日西沢、03年ダイエー井口の5試合連続猛打賞には届かなかった。それでも勢いは止まらない。

 今季163安打でリーグトップを快走中。来日4年目で2年ぶり3度目となるシーズン最多安打のタイトルもはっきり見えてきた。1年目以来となるCSファーストステージ進出も決定。「優勝できなければ、次の段階に向けて頑張るだけだよ」と話すM砲の上昇気配に、期待が集まる。【佐井陽介】