エンディングノートを書くきっかけとは? | 自分の人生を味わい尽くす日々

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たった一度の人生だから、自分の想いに素直に、たくさんの感情を味わって生きていきたい。そんなあなたを応援します。

こんにちは。3月に入り、春一番も吹きましたね。今日は桃の節句、雛祭りです。少しあたたかさを感じるようになりましたが、まだ雪や風が強い地域もあります。春を心待ちに、対策をして過ごしましょう。


私は仕事で、遺言やエンディングノートに関わることが多くあります。平穏無事に日々を送っていると「遺言を作ろう」「エンディングノートを書こう」と思う機会は少ないはずです。遺言などのご相談のときには、その方が「なぜ」今、遺言やエンディングノートに取り組もう」と思ったかというところから、ゆっくりお話を伺うことにしています。


その方ごとに、様々な人生や考え方があり、これが「エンディングノートを書くきっかけです」と類型化することは難しいですが、少しまとめてみます。


・親が亡くなり、遺言に添えられた「付言事項」のメッセージに、支えられた。


・配偶者が遺される家族のことを考え、色々な準備をしてくれていたことを知り、愛情を感じた。だから、自分も取り組もうと思った。


・病気をきっかけに、これからのことを考えた。エンディングノートという言葉に、すこし抵抗があったけれど、今までを振り返り、これからに向けて書いていこうと思った。


・自分が居なくなった後に、家族が悲しんだり悩んだり争ったり困ったりするのが一番の気がかりなので、自分が出来ることをしたいと思った。


・一人で生きてきた人生。たくさんの人に支えられてきたけれど、やはり自分のことは自分で決めておきたいと思った。


・震災を機に、命のことを考えた。年齢に関係なく、今から自分のためにもノートに記録していきたいと思った。


などなどです。



印象的だなと感じるのは「親や配偶者、親しい友人など、身近な人が病気になったり、亡くなったときに、自分の人生に向き合い、周りの人のことを想って遺言やエンディングノートなどに取り組んでいた姿を見て、自分も行動しようと思った」という方が多いということです。


私たちの生活の中で「病」や「死」は出来れば考えたくないことかもしれません。それでも、生まれてきた以上、私たちは皆誰しもその時を迎えます。そのときに、何を伝えたいか、何を遺したいか。その思いが、行動の原点になるのですね。


バタバタと過ぎていく日々に追い立てられていると、周りにいる家族や友人、仲間のことをゆっくりと考える時間はあまりありません。そのようななかで、一度立ち止まって自分の周りにいる人のこと、今までの自分の歩んできた道を振り返ることは、歩みを止めるということではなく、むしろこれから進む先への原動力になるのだと感じます。私が出会い、お話しさせていただく方から、そのような姿を学んでいます。


エンディングノートというネーミングから、後ろ向きなイメージを持ってしまうこともあるでしょう。しかし「エンディング、人生の最期」のためのノートではなく、今までを振り返りながら、これからの人生を見つめ直すためのノートなのです。その意味では「リビング・ノート(Living Note)」、生きていくためのノートなのだと感じています。


患者さんのための医事代理人  Patient Advocate Japan