年のせいでしょうか、最近つくづくそう感じるようになりました。
たとえば「体罰」の問題でも。
何か絶対的な善や正義の軸を一つ持ってきて、現実社会をそれでバサバサ裁き、性急に改善を求める。それは時には改革を超えて革命と言いたいくらいに過激になることもあります。
求める人からすれば「善いことなんだから、いいじゃん」くらいのものでしょう。でも、単純なものさし・浅はかな知恵で制度や慣習をいじると、往々にしてひどい弊害があらわれるものです。目的や意図がいかに崇高でも、それでは意味がありません。改革をするにしても、漸進主義でいいんじゃないでしょうか。
徒然草に「改めて益なきことは、改めぬをよしとするなり」という言葉があります。さすがにここまで行くと少し消極的な気がしますが、知恵を含んだ言葉であるのは間違いありません。好むと好まざるとに関わらず時代の速度が上がっている現代。「改善や改革は、半歩遅れでいい」くらいでちょうど良い気がします。