若林三菱UFJ信託銀社長「シニア需要に合う商品を」(金融力シンポ)
三菱UFJ信託銀行の若林辰雄社長は18日午後、「ニッポン金融力会議」のプロジェクト、第2回トップ・シンポジウム「よみがえれ東京市場~活かせ個人金融資産」(主催・日本経済新聞社)で講演した。シニア層の金融資産が貯蓄から投資へ向かいにくい現状の解決策として「それぞれのニーズに即した新商品や新サービス提供が市場活性化のカギになる」と指摘した。
シニア層がリスク資産へ投資するのを手控える理由として(1)色々な不安に備え、残された家族に準備をしておきたい(2)安全に資産を増やしていきたい――との心理があると説明。「老後に不安を感じ、備えの必然性を考えているシニア層にどういった商品を提供していくか」を考える必要があると訴えた。
商品の例として同行の財産管理業務のひとつである「ずっと安心信託」を挙げた。相続の際に簡便な手続きで家族が一時金を受け取れる点や、年金の支給がない月の現金の受け取りができる点、家族に毎月定額を残せる点などが「老後の不安に備えたいというニーズに訴えかけたことで残高が伸びている」という。
資産形成の需要への対応に関しては、同行が昨年秋に開始した資産運用口座を例示。年金の運用を経験したポートフォリオマネジャーが個人の顧客のニーズに即した独自の運用をしていることなどが「着々と支持を得ている」と説明した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕