人間の生活が変われば、それに合わせて法律も変わっていきます。日本ならば、ここ数年で500件を超える新法が成立したくらいです。法律が変われば、それを適切に監視する「法の番人」の仕事も変わっていくでしょう。兄弟メディアKotakuが採り上げていたのは、これから必要になるかもしれない法の番人たちについて。今日はそんな未来のお話を、こちらの記事より転載します。

インターネットが日常的なツールになっただけで、警察は新しいタイプの犯罪への対応を次々に迫られてきました。これから先、もしもSF映画もビックリな未来がやってきたら、さらにいろんなタイプの取り締まりが必要になるはず...。

ということで、以下に新しい時代に予想される法の番人をリストアップしてみました。それぞれの制服は、ぜひ脳内イメージで補完してください。1.遺伝子工学監督機関

遺伝子工学がもっと進歩して身近なものになれば、倫理に反する遺伝子操作行為や、人間のクローン作製に手を出そうとする人が出てくるかもしれません。しかも、予想ではコストはそれほど高くないそう。お金持ちがペットにケンタウロスを作っちゃった、なんてことがないように監督するのです。

2.新人類管理局

今の形態の人類が登場してから数十万年。そろそろニュータイプや超人が出てきてもいい頃でしょ? でも人類を超越した存在が突如現れても、扱いに困っちゃいます。まずは管理局で一人ずつ登録してもらって、話はそれからです。(注:ここで言う「新人類」は80年代にそう呼ばれた若者たちのことではありません。)

3.国連月面警備隊

月の探査や利用には、やっていいこととイケナイことを国際的に取り決めた条約である通称「月協定」があります。基本的に「月は世界みんなのものだから仲良く使いましょう」といった内容ですが、将来もっと手軽に宇宙にいけるようになった時、月支配を狙う悪人グループが出てこないとも限りません。そこで登場するのが月面警備隊。月に代わっておしおきよ

4.バーチャル犯罪対策室

現在の警察にも「サイバー犯罪対策室」がありますが、バーチャル犯罪対策室の扱う内容はちょっと違います。シミュレーションゲーム『ザ・シムズ』のような空間が公的機関によって運営され、各個人が公式なアバターを持つようになったとき、その中での犯罪を取り扱うのがバーチャル犯罪対策室。バーチャル世界にいるもう一人の自分として誰かが大切に育ててきたアバターを別の誰かが殺してしまったら、それはもう人権侵害、いやアバター殺人罪として扱われるようになるかもしれません。

5.高等動物裁判所

上記の遺伝子工学監視機関がうまく機能せずに、いろんな合体生物が生まれることになったら、人間の子ども並みの知能を持つイヌとか、天才カンガルーとか、人間すら超える知能のメカクジラの出現も予想されます。となると、高等動物達の権利と、それに関わる問題への対処も考えなくてはなりません。もしかしたら、裁判所も人間より高等な動物たちが自分たちで仕切るようになったりして。

6.電子麻薬取締局

麻薬は脳神経に作用して幻覚などを引き起こしますが、人の脳に埋め込むタイプの電子チップが情報伝達のツールとして普及すると、電気信号で脳に直接麻薬作用を与えるドラッグデータが闇取引されるように。迷惑メールに添付されたデータが勝手に脳チップに送られ、知らない間に中毒患者にさせられるかもしれません。

7.テレポーテーション安全局

テレポーテーションできるようになったからって、好き勝手にどこへでも行けると思ったら大間違い。いつ誰が何を持ってどこへ行ったか、別の場所に持ち込むべきでない植物や危険物はないか、政府の規則に従って細かく取り調べるのがテレポーテーション安全局。おにぎりはいいけどバナナは不可です。

8.冷凍刑執行委員会

未来の刑罰に加わるのが冷凍刑。犯罪者を普通の刑務所に収監するのではなく、コールドスリープさせてしまうのです。年を取らなくてラッキー? 刑期を終えた頃には自分を知る人はすべていなくなり、その時代の話題にもテクノロジーにもついていけない究極の浦島太郎刑です。んーメリットはよくわかりませんが、たぶん委員会の人が人を凍らせて楽しむサディストなんでしょう。ハン・ソロのカーボン冷凍萌えみたいなもんです。

9.若返り少年裁判所

現在も未成年の犯罪は成人とは別の場所で裁かれますが、将来画期的な若返り術が可能になったとして、実年齢は65歳だけど身体はピッチピチの16歳なんて人が出てくるかもしれません。脳の若返りで思考パターンが未成年と変わらない状態になっていたら、未成年と成人のどちらとして扱うべき? それで16歳の若返り少年の親を呼び出してみたら、10歳児になってたなんてことも...。

10.ロケットブーツパトロール隊

現代でも一般的な移動手段で警察が使わないものはありません。クルマにバイクに船にヘリコプター。海外では馬もセグウェイも使います。となると、もし鉄腕アトムのようなロケットブーツができたら、真っ先に使うのは警察でしょう。犯罪者がクルマや電車に乗っていようと、あっという間に上空から現れて一網打尽。子供たちのヒーローになること間違いなしです。

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(さんみやゆうな)

Photo by Thinkstock/Getty Images.