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遺骨との対面もカードで 「理想の墓」探しは大変

定年男子の終活見聞録

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日本人は墓参りが好きだ。盆や春秋の彼岸のほか、最近は正月などにも、家族そろって墓に出かける人が多い。4人に3人が「年数回以上お参りする」という調査結果(第一生命経済研究所)もある。死者との交流を大切にするのは、日本人の習慣、文化の一部と言ってもいいだろう。

人気の墓地はキャンセル待ち

 新聞や折り込みチラシにも、墓参りの季節になると霊園の広告があふれる。「最終区画、受付開始」「緑豊かな安らぎの地」など、住宅販売と間違うような文句が踊る。チラシに触発され、散歩を兼ねた墓地めぐりを思い立った。

最初に訪ねたのは、観光名所でもある鎌倉の有名寺院。チラシには「墓石込み200万円弱」とある。この寺にしては割安なのかもしれないが、案内された先は1区画0.36平方メートル(60センチ四方に相当)とかなり狭い。檀家の会に入るのが条件で継承者も必要。それでも希望者が多く、キャンセル待ちの状態らしい。早々に引き揚げた。

自宅近くの横浜市街地にある霊園にも寄ってみた。近場で便利ではある。ただ、ここも0.56平方メートル200万円弱、0.3平方メートル140万円と、狭いうえにいい価格だ。「残りわずか」と営業マンに勧められたが、「考えておきます」と辞去した。

"戸建て"が無理なら"マンション"か

有名寺院や近場は、やはり狭くて高い。「それでは郊外に」と、10数年前にできた横浜聖地霊園(横浜市旭区)を訪ねた。それまでに見た所よりゆったりとしているが、全3600区画は既に完売。2平方メートルで約300万円(墓石込み)と高価だったが、それでも人気があったのだろう。

「ここならまだ余裕がある」と案内されたのが、霊園の一角にある大きな墓碑だった。数10人分の骨つぼを納める設備があり、銘板に名前が刻まれる。墓碑を共有するから、ここでは永代共有墓と呼ぶらしい。1体で43万円。「霊園を経営する寺が供養を引き受けるから、後継者がいなくても大丈夫」と担当者は言う。

 歩き回るうちに、若いころ経験した住宅探しを思い出した。一戸建てから始まり、回り回って結局はマンションに落ち着いたのだが、墓探しも似たようなものだ。戸建てが無理なら共同住宅にするしかない。

堂内墓の礼拝口、まるでATMコーナー

最近は、遠くて高価、しかも維持管理に手間のかかる従来の墓でなく、納骨堂形式の堂内墓が人気らしい。その草分けとされる興安寺(東京都文京区)にも行ってみた。

ロビーに礼拝口が並び、カードをかざすと遺骨が納骨施設から自動搬送される仕組みだ。

10数年前の本堂建て替えの際、思い切って、従来の墓地をまるごと地下に移し、その上に本堂と堂内墓が入るビルを建てた。渡辺順昭住職は「この周辺で墓を建てると4百万円程度はかかるが、この形式にすることで75万円にできた。

都会の真ん中にあるので、思い立てばすぐお参りもできる」「山を切り開いて霊園を開発するより、限られた空間を有効活用するべきだ」と話す。ただ、1万体分以上あるスペースは既に満員状態。予想以上の人気だったらしい。

30歳以上の4人に1人が「既に墓を準備」

急に思い立った墓探しは不首尾に終わったが、彼岸の時期に重なり、行く先々でお参りの人たちに出会った。墓前で手を合わせた後の穏やかな表情が印象的だった。

「墓は持たない」という選択も理解できる。立派な墓を建てても、子供、孫たちが守ってくれるかどうかも分からない。しかし、手を合わせる対象があることは、残された者の安らぎにつながる面もあると思う。

今春、経済産業省がまとめた30歳以上を対象にした調査では、「墓を既に準備している」「準備すべきと感じているが、準備していない」と回答した人が、それぞれ約4分の1を占めた。年齢別に見ると、「既に準備している」の割合が、50歳代24.8%から、60歳代34.3%、70歳代以上48.4%へと、急に高くなっている。定年後に墓を準備する人が多いことがうかがわれる。

年金生活者にとって、人生終盤での大きな出費は大変厳しい。蓄えと相談するしかないのだが、さてどうする。難しいところだ。

(森 均)

 森均(もり・ひとし) 1947年京都府生まれ。日本経済新聞の社会部記者、編集委員を長く務める。家庭を顧みない「仕事人間」だったが、定年退職以降は「家庭人」を目指して奮闘中。2012年4~5月には日本経済新聞電子版に「定年男子の料理教室」を連載した。

※「定年世代 奮闘記」では日本経済新聞土曜夕刊の連載「ようこそ定年」(社会面)と連動し、筆者の感想や意見を盛り込んで定年世代の奮闘ぶりを紹介します。

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