15日、レアル・マドリーのバンディエラ(フラッグ)が降ろされるかもしれない。FWラウールがこの日、バカンスから戻り、レアルとの別れを明らかにするというのだ。スペイン『アス』が報じたところによると、ラウールはレアルでの16年間に終止符を打ち、シャルケ04へ移籍するという。

アトレティコ・マドリーの下部組織で育ち、1994年にレアルでデビューを果たしてから、ラウールのキャリアは「白」一色だった。クラブの栄光ある歴史の中で、誰よりも多くの試合に出場し、誰よりも多くのゴールを決めてきたラウールは、すべてを勝ち取ってきた。

しかし、しばらく前から、彼の調子は以前のそれではなくなり、尽きることのない議論の果てに代表からも外され、彼がいないスペイン代表はEUROを制するとともに、ワールドカップで準決勝に進出している。マヌエル・ペジェグリーニ前レアル監督は、ラウールをベンチに置いた。ジョゼ・モウリーニョ新監督は彼に残留を求めたが、状況はなかなか変わらないだろう。

そこで、移籍というアイディアが出てきたのだ。ラウールはイタリアとセリエAを気に入っており、何度となくフランチェスコ・トッティのいるローマが移籍先になり得ると話してきた。だが、最終的に彼が選んだのはドイツだったようだ。後押ししたのは、同じようにマドリッドからゲルゼンキルヒェンへと移った友人のDFクリストフ・メッツェルダーと見られる。

メッツェルダーの代理人であるノイバウアー氏は、ラウールの代理人であるカルバハル氏とともに、歴史的な移籍となるラウールのシャルケ入りをまとめるために動いてきた。レアルはラウールに残されたあと1年の契約分を支払い、シャルケは今後2シーズンで年俸400万ユーロ(約4億4000万円)を支払うようだ。

33歳になったばかりのラウールは、オファーに事欠かなかった。まずはマンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督が彼に賛辞を送り、1年前からブラックバーンにいる親友ミシェル・サルガドの呼びかけもあった。中東からの誘いに加え、アメリカのMLS移籍は夫人を惹きつけた。だが、シャルケがチャンピオンズリーグに出場することが大きく影響したのだ。ラウールは欧州カップ戦の“得点王”である。だからこそ、彼はドイツへ飛び、そして感動的なキャリアを終えることだろう。