金箔(きんぱく)で華美な装飾をつけた「宮型」と呼ばれる霊柩(れいきゅう)車が減っている。派手な葬送が敬遠され、輸入車を改造した装飾のない「洋型」の希望が増えているからだ。費用が安い「バン型」も人気があり、葬送業者から「葬送の伝統が消えていく」との声があがる。
「金ぴかの車はやめてください」。戦前から営業している横浜市南区の葬儀会社「伊藤」は、葬儀の施主からこんな要望を受けることが増えたという。
約20年前は宮型が8割、洋型は2割だったが、最近は宮型は年数件。伊藤隆会長は「かつては宮型が仏式、洋型がキリスト教や無宗教と分かれていたが、最近は簡素な葬送を求める人が多い」と言う。