"▼早く産め?企業を選別せよ?

最近は、 不妊治療、卵子老化の認識もだいぶ広まってきたし
30代で産んだ女性は「絶対早いほうがいい」と必ず言う。

20代で産んでキャリアの先行きに不安を抱えている人もいるので
隣の芝が青いだけなのかな、と思っていたが
最近私のインタビューでは、入社3年目出産でも
「自分がいなくなっても部署には大してダメージじゃないし、
復帰してからもまだ可愛がられる年次で何とかなった」
「猛アピールして遅れを1年に留めたし、後から見れば大したことではない」。
一方管理職になってからの出産は、スキルが身についている一方で
どうしても「部下かいるポジションで休むと代わりの人が来てしまう」
「転職するときにポジションを落とせない」等の意見を聞くので
やはり早く産んだほうがいいのかもしれない。


ただ、 学生は難しいメッセージにぶつかってると思う。

早く産んだほうがいい、という情報の一方で
現実的には産んだ後、第一線を退かないといけなかった先輩たちも見ている。
そうすると、子どもを産んでからもやりがい持って仕事を続けるためには、
働きやすい会社を選ばないといけないのか、と考える。

そのときに 
自分のやりたいこと=長期的に続けられることが一致していたらいいが
自分のやりたいこと=ゼロドラッグ向け仕事で
かつ子どもをほしいと思っていたらどうするのか。



確かに、優秀な女性が、企業を選別することで
社会を変えていくというのは重要だと思う。
既存の、「専業主婦つき男性」が作ったルールで
はじめから負けが決まってる試合をすることないじゃないか、という話。

実際に外資系は女性管理職登用で
子持ち女性を積極的に採っているという話も昨日聞いた。
優秀でやる気のある人ほどそういうところに行って、
そうでない人ばかり日本企業に残ると
日本企業ではますます「女は使えない」という悪循環にも
なっているのかもしれない。

マクロにかつ長期的に見れば、そういう「抗議」の仕方で
企業は変わらざるをえなくなるのかもしれない。


でも、その選別戦略は、
第一に現実的にはかなり時間がかかり難しいと思うし、
第二に 「優秀な女性」の仕事の好みを無視してる。

企業はむしろ「女は採るのやめるか」という方に傾きつつあると思うし
介護ニーズが今後増えたって、恵まれた大企業のおじさんたちは
お金か専業主婦の嫁で解決するから そう簡単に危機感は抱いてくれまい。

女子学生たちも、「やりたいことよりも条件を重視したほうが結果的に続く」
「賢く自分の幸せを守れ」 と言われると戸惑いを見せる。


だから、弱い結論ではあるけど
入っちゃった会社でパイオニアになること、
ルールを変えようと戦うことも重要だよねと言ったら
少し学生の顔がほっとしたような表情になった。

また、産むことについても、早い遅いと少し違う軸で
情報過多でかつ答えが見えない中で悩むよりは、という意味で
昨日は「案ずるより産むが易し」がはやり言葉になった。"

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