【6月27日 AFP】国連薬物犯罪事務所(UN Office on Drugs and CrimeUNODC)は26日、2012年版「世界薬物報告書(World Drug Report)」を発表した。それによれば問題を抱えた薬物使用者は全世界に約2700万人存在し、毎年その1%近くが薬物乱用によって死亡している。

 報告書を発表したユーリ・フェドートフ(Yury Fedotov)事務局長は、「ヘロインやコカインなどの薬物は、毎年20万人の死者に加え、家庭崩壊やその他数千人への精神的苦痛、不安定な生活、HIVのまん延を生み続けている」と述べている。

 報告書によれば、15~64歳の世界人口のうち約5%に当たる約2億3000万人が、最新のデータがある2010年中に少なくとも1回は違法薬物を使用した。世界で最も広く使用されている薬物は依然として大麻だった。

 薬物使用の増加は先進国から発展途上国へとシフトしていることから、フェドートフ事務局長は薬物問題への対策が遅れている国々への支援を呼びかけている。(c)AFP